ニホンザルの生態
○サルは行動範囲を作り群れで行動します。メスは生まれた群れで一生を過ごしますが、オスは生後4年~5年で群れを離れ、他の群れに移ったり、
オスだけで群れを形成したりします。また、1頭で動き回る通称「ハナレザル」も存在します。
○交尾期は9月~12月、出産期は3月~6月です。1回の出産で赤ん坊を1頭生みます。通常、7歳~8歳程度で初産年齢となり、農作物等を食べて栄養
状態が良いと初産年齢や出産間隔が早くなるといわれています。
テレメトリを活用したサル被害対策
サルの行動域調査
北杜市では、サルによる農作物等への被害対策に役立てるため、サルの行動調査を行っています。この調査は、加害サル群に発信機を取り付け、その行動を追うことにより、群れごとの生息域等を調査するものです。
群れの名称 | 出没地区 | およその頭数 | 群れの名称 | 出没地区 | およその頭数 |
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茅ヶ岳群 | 明野・須玉 | 約150 | 中山群 | 白州・武川 | 約40 |
江草群 | 明野・須玉 | 約60 | 竹宇群 | 白州 | 約30 |
比志群 | 須玉 | 約100 | 大坊群 | 白州 | 約60 |
津金群(仮称) | 須玉・高根 | 約20 | 奥大坊群 | 白州・武川 | 約80 |
教来石群 | 小淵沢・白州 | 約80 | 山高群 | 武川 | 約80 |
鳥原群 | 白州 | 不明 | 下笹尾 | 小淵沢・長坂 | 不明 |
北杜市に生息するサルの各群の行動域
サルの行動域調査は、以下のテレメトリを用いてサルの群れを探し、目視による確認をもって調査を行っています。
テレメトリ受信機 | 受信機を活用したサルの位置特定 |
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令和6年度
令和5年度
令和4年度
全域の行動域マップです。
点は、テレメトリを用いて発見した各群れのサルの目撃箇所を示しており、各色が示す群れは以下の通りです。
紫色:茅ヶ岳群(明野・須玉地区)
橙色:江草群(須玉地区)
赤色:比志群(須玉地区)
桃色:山高群(武川地区)
茶色:中山群(武川・白州地区) (装着なし)
緑色:奥大防群(武川・白州地区)(装着なし)
青色:はぐれ(群れに所属していないサル、若しくはテレメトリを装着できていないサルの群れ)
自動警報システムの導入
北杜市明野町では、大内・永井・中込・浅尾原・東光の5区が協力して「明野地区野生鳥獣害対策協議会」を立ち上げ、農産物等への被害防止に向けた取り組みを開始しました。
自動警報システムはその一環として導入され、市の「鳥獣害に強い地域づくり支援事業」を活用して3機設置されました。このシステムは、サルに取り付けられたテレメトリ発信器の電波を自動に受信し、パトライトとスピーカーによりサルの接近を知らせるものです。今後、地域による追い払い活動等への活用が期待されます。